【 暮らしと住まいのあれこれ/コラム 】

オール電化の話

いまや市民権を得た「オール電化」

オール電化の家と聞くと、最新式で、安全、便利でかっこいい!

ちょっとしたステイタスという感じもあるのかもしれません。

おまけに光熱費が下がるらしいじゃない!!

しかし、電力会社がうたう「宣伝文句」を鵜呑みにして、 本当にオール電化を採用して良いのかどうか、考えてみましょう

オール電化のメリットデメリット

まず、オール電化にする、という考えのきっかけは「IH調理器」にあると思います。

IH調理器については次の項目で紹介しますが、 IH調理器を入れるとき、オール電化にしないと光熱費のメリットがない、と聞きます。

光熱費が下がる、と言いますが、オール電化使用による割引や深夜電力を使用した給湯による、電力会社側で電気料金を下げる点と、ガスを使用した場合の「ガス基本料金」が全く必要なくなるという点を足して言える事であります。

実際は使用の方法によって、ガス併用の場合より光熱費が高額になることもあるそうです。

また、ガスのような廃熱が減ってエコロジー!と言いますが、 電気を使う量がかなり多くなるので、エコロジーの点で貢献できるとは言えません。

結局のところ、ガスを使用する事による「火の元管理」を家でするか否か、という点において、管理せずにいられるオール電化の方が安全、という点がメリットなのでしょう。

デメリットは、もしガスを併用したくなったときに、新たにガスを引き込むのには大工事が必要で、費用がとてもかかってしまう、ことなのでしょう。

(ガス併用の場合は、オール電化に変える事が可能ですからね。)

火の元に気をつけるのは当たり前のことであり、子供がいたら「火の怖さ」を教えることにもなるでしょう。 そのような「火を使う」の教育ができなくなるのは、オール電化のデメリットなのでしょうね。

また、夜間電力を利用した温水器を設けるためには、ある程度の設置スペースを確保しなければいけないでしょう。

電磁波の問題については下の【IH調理器の電磁波】で紹介します。


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IH調理器とは、鍋の底に流れる電流と鍋の材料の持つ抵抗で、
鍋底自体が発熱する調理器です。

IH調理器にしたいけど、宣伝文句を聞いているとメリットばかりだけど、本当に使いやすくて安全なのかな?

ここからは、IH調理器の使い方について紹介します。

IH調理器で使える調理器具

IH調理器では、ある程度の電気抵抗を持つ金属性で、平らな底の鍋しか使えない、というデメリットがあります。

使用不可なものは、

磁力線を受け止められない・・・ガラス製鍋、土鍋、アルミ製、銅製
底が平らでない・・・底の丸い中華鍋、足つきの鍋

現在は、土鍋・ガラス鍋を除く、アルミや銅の鍋などが使用可能な「オールメタル対応」のIH調理器もがあります。

しかし、軽かったり、サイズ(直径)が合わなかったりすると使用できないものもあるので、安全に調理器を使うためには新しく鍋を買い換える必要があると思います。

以前、使えない鍋の説明をきちんとした上でIH調理器を選ばれた建築主から、家の完成後、

「土鍋が使えないじゃない!」

と怒られたことがありました。

現在では土鍋の底に電磁誘導体などを含ませた、IH対応土鍋も作られていますので、新しい土鍋に買い換えましょうね。


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IH調理器の調理方法

IH調理器では鍋の底が天板に乗っていないと鍋に熱が伝わりません。

また、鍋を直接発熱させるので熱効率が良く、短時間で強い火力にできるので、たっぷりのお湯も短時間で沸かすことができます。

この二つの点から

  • フライパンの鍋ふりができない。
    フライパンを天板から離さないように揺らして調理すると良い、と言われています。
    (最近は鍋ふりしてもフライパンの温度が下がらないIH調理器があるそうです)
  • 鍋が加熱される火力が強い。
    焦げ付きやすいので、火加減にはご用心。
  • 熱効率が良いので、煮物に適している
    タイマーを使えばより安心。

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オールメタル対応とは?

IH調理器は【IH調理器で使える調理器具】で書いたように、使える鍋に限りがあります。

磁力線を受け止められない、ガラス製、土鍋、アルミ製、銅製の鍋は使えないのですが、 この中で「アルミ製」と「銅製」の鍋が使えるようになったのが、 オールメタル対応IH調理器です。

しかし、このアルミや銅、鉄よりも電気抵抗が小さいので、 加熱するために消費電力が多くなってしまい、 電気代がかかるようになると言われています。

さらに、軽い鍋は動いてしまう危険性があるので使わないように。

オールメタル対応は本体の値段が高いので、 非オールメタルにしてその分でお鍋を買い換えたほうがお得かも、という話もあります。


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IH調理器から火災?

IH調理器って安全!

この「宣伝文句」が私はあまり好きではありません。

なぜなら、機械に安全を任せてしまうことが危険だと思うからです。

IH調理器は火を使わないから火災にならない、事故は起こらない、 ということは絶対にありません。 要は「比較的安全」なだけで、使う人の意識次第だと思います。

IH調理器でも火災は起こります。

ガス調理器の感覚で鍋を温めてから油を入れる・・・すると、炎が立ち昇って!!

という火災が起こることがあるそうです。

これは、IH調理器では鍋に熱が伝わりやすいので、赤熱化するのが早く、
赤熱化した鍋に油を入れると火が出るというわけです。

ですから、IH調理器を使って安全を期待するためには、 「適切な鍋を、適切な使用方法で」使うことを前提としてください。


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IH調理器の電磁波

IH調理器の電磁波って大丈夫?

これに対しては、「安心です、大丈夫ですよ」とは言えません。

今の世の中、情報が溢れているので「宣伝文句」のどれがどれだけ正しいのか、 判断するのは消費者の方なのかもしれません。

「やっぱりあぶない、IH調理器」船瀬俊介著

では電磁波による健康被害、ガン増殖のおそれ、などが書かれています。

また、欧米では電磁波の健康リスクが考えられ、IH調理器はほとんど売られていない と書かれています。

それに対して「日本電機工業会
http://www.jema-net.or.jp/Japanese/kaden/ih/ih-08.htm

では、ヨーロッパでもIH調理器は売れているし、 電磁波による健康被害があるとは言われていない、 IH調理器は「安心です!」と断言しています。

上記の「やっぱりあぶない、IH調理器」はかなりガス寄り。

ガス会社の「宣伝文句」なのではないかと思うところもあるので、 これを100%信用するわけではないのですが、 電磁波の安全は証明されているわけではないようです。

つまり、もしかしたら何かしらの健康被害が起こるかもしれない。

それでも電磁波を出す電化製品はIH調理器だけではないので、 パソコン漬け、携帯必需品の私からしたら、 「電磁波危険よ!使っちゃダメ!!」なんて絶対に言えません。

だって、そのような電化製品が「利便性」を与えてくれたのですから。

ですから、やはり最終的な判断は消費者にお任せします。


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