【 家づくりをはじめよう 】

地震の話

先日、中国の四川で大地震が発生しました。

誰しも、大きな地震がくると「うちは大丈夫だろうか…」と思うでしょう。

ここでは、地震の話についてお話したいと思います。

日本でも、1995年に阪神大震災が起こり、6500人もの尊い命が失われました。

そのことからも、今の家で不満はないけれど、地震が心配ということで建て替えや耐震補強をしたという話をよく耳にします。

○ うちの家は大丈夫?・・耐震診断

○ 木造建築のメリット・デメリット

○ 木造建築の耐震設計とは

○ 木造住宅の耐震に関する法律の歴史

○ 増築・減築にも必要な構造計算

○ 地盤の話

うちの家は大丈夫?・・耐震診断

耐震診断・補助金について

家に地震の心配がある場合は、耐震診断をお奨めします。

簡単な耐震診断もあります。

簡単な耐震診断もありますが、実際の耐震診断というものは、図面だけでは判断できません。

図面どおりに施工されているか、土台などに腐朽や蟻害がないか、接合部がきちんと施工されているか、基礎にクラックが入っていないか、というように、現場調査が必要になってきます。

また、見えない部分をどう想定するかによっても、耐震診断の結果は大きく変わります。

業者などが、無料診断と言って診断してくれるケースもありますが、セールス目的であるため、診断結果は本当の意味で信用できません。

こうして、危機感をあおり、リフォーム詐欺などにあわないように注意してください。

行政などでは、木造耐震診断士登録があり、耐震診断士を手配してくれるところもあります。

いずれにしろ、プロの目で見てもらうことをお奨めします。家は大きな財産でもあり、自分を守ってくれるシェルターでもあります。安心の為の保険も必要ですが、万が一家が倒壊や半壊してしまって、怪我をしたり命を失ってしまっては、保険のお金が入っても悲しいですよね。

行政によっては、耐震診断に補助金を出しているところもありますので、お住まいの役所などに問い合わせてみてください。


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木造建築のメリット・デメリット

日本には昔から、木造の住宅が多いです。

それは材料が豊富で入手しやすく、気候・環境に適していると理由があります。

メリット 材料が豊富で入手しやすい・・ということは安価です。
木材は軽い・・コンクリートや鉄と比べても圧倒的に軽いです。
木材は加工しやすい・・切ったり、削ったりの加工が容易です。
木材は強度が強い
デメリット 腐朽、シロアリ被害がある
燃える
材料が均一でない
収縮やねじれなどの寸法変化がある
接合部が弱い

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木造建築の耐震設計とは

木造建築の耐震設計とは耐力壁をきちんと配置することが大前提です。

耐力壁というのは筋違いや、板を打ち付けた壁のことです。

まずは、基本設計の際、壁をバランスよくとって計画することが必要です。

南側に大きな開口を作る際には、その横の壁を強度の強い耐力壁にしなければなりません。
次に、耐力壁の強さに応じて金物を付けます。強度の強い耐力壁には強い金物を付けなければなりません。
というのは、強度の強い耐力壁は地震の際、一番に力を負担します。
壁自体が強くても、基礎から抜けてしまっては家全体を守ることはできません。
ですので、なんでも強い金物がついていればいいというわけでもないのです。

耐震の設計が十分に検討されていても、それがきちんと施工されなければ意味がありません。
私の経験上でも、大工さんは金物などの意味に無頓着な方もおられます。
大工さんは構造設計のプロではありませんので、少々仕方のないことではありますが、そういう部分はきちんと建築士が監理しなければなりません。


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木造住宅の耐震に関する法律の歴史

建築基準法は1950年に施行されました。
しかし、木造住宅の耐震についての規制は緩く、現場の大工や設計士に任されてきました。
1981年に新しい耐震設計法が制定され、壁量計算が義務付けられます。
それでも、図面どおりに施工されていない住宅も多いこと、接合部の規定がされていないこと、などで耐震性が高いとはいえない状況が続きました。
そして、2000年、木造住宅に関する、新基準ができました。
全体の壁量だけでなく、つりあいよく壁を配置することや、接合部の金物の種類にまで、規定されました。
1995年の阪神大震災では、1981年の現行を守って建てられた木造住宅の被害は、それ以前の住宅よりも少なかったという現状もあります。
現在では、確認申請でどのような位置に壁を配置しているか、構造的に強度は十分であるかの審査があります。
接合部ついても、中間検査できちんと金物がついているのか確認します。
また、完了検査で建物が図面どおりに施工されているのか、確認します。
銀行によっては、完了検査を受けたときに発行される、完了済証がなければ、最終の融資を受けられないところもあります。
それでも、きちんと施工されているのか、きちんと構造計算がされているのか不安な方は、第3者の目できちんと監理してもらうことが重要になってくると思います。


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増築・減築にも必要な構造計算

子供が大きくなった、おばあちゃんと一緒に暮らすことになったなどで、増築をする際は、増築部分も含めた家全体としての構造計算をすることが必要です。

特に、平屋だった2階に増築する場合は梁の強度が十分あるのか、補強をしなくてよいのか、きちんと確かめなくてはなりません。

また、接合部がきちんと施工されていないをことで、地震の際にそこで家が二つに分かれてしまったということにもなりかねません。

■構造リフォーム

木造住宅の耐用年数は何年でしょうか?

一概に何年と決められるものでもありません。

しかし、多くの人は30年もたてば、建て直さないとと考えているようです。

現実、土台の腐朽や、シロアリ被害が発生するのは築20年前後からが多いようです。

そういう時期に構造リフォームや構造補強を行えば、もっと長く住み続けることもできるはずです。


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地盤の話

地盤はもともとの地形がどんな地形であったかが大きく影響されます。

地形には、山地、丘陵地、台地、低地などがあり、その地形により、岩盤や粘土、砂などいろいろな地質で構成されています。

近年の技術の進歩により、山を切り崩したり、池を埋め立てたりなどの宅地造成がされています。

山地を切り崩して造成された土地は、切土と盛土の部分ができ地盤の強さに差ができてしまい、その上に建物を建てた場合は、盛土部分が沈下して住宅に被害が出ることも考えられます。

そのためには地盤調査をし、その調査結果に基づく地盤改良が必要となってきます。

また、近年その活動が盛んになっている地震。

活断層などが近くにないかの確認は必ずしておいた方がよいでしょう。


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